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女性とともに -Hacer-

労働と女性、グローバル化の中で

2016年9月18日 | CATEGORY - 女性とともに

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以前、地方の緊急一時保護施設で使徒職に携わっていたとき、ある国の母子をひきうけたことがあった。母親はDVを受けており更に売春をしているとのことで、長女は父親や母親のお客等から性虐待を受けていた。母親は10年日本に滞在しているにもかかわらず、ほとんど日本語が出来ず、子どもたちに頼りきりという状態だった。母親が日本で働いていける様子もなく、長女はこれからも性虐待を受けていく可能性があったこともあり行政と共に帰国を勧めたが、「自分の国は殺人やドラッグが身近であり、こどもたちを学校に行かせるお金もない。日本だったら学校に行ける」といって日本に留まる事を強く望み、生活保護でアパート設定をして日本に留まる選択をした。

「子どもが性虐待にあっていても日本を選ぶほどに国の事情は深刻なのか」と考えさせられる家族だった。

 

現在日本国内では、シャドウワーク、非正規問題、少子高齢化による深刻な労働者不足、同一労働同一賃金など毎日のように労働に関する記事を目にする。中でも女性の労働環境は男性のそれとは明らかに違う。

 

先日、日本カトリック難民移住移動委員会主催の「外国人技能実習生制度の現状と支援」という講演会に参加し、労働組合の事務局長さんのエネルギッシュで明快なお話を伺った。私なりに内容を要約すると「この制度で入国して日本で働いている外国人労働者の中には、ひどい暴力、セクハラなどの人権侵害、賃金未払いなどの不正行為を受けている方々がいらっしゃり、その方々を救済しなければならない。又雇用者もこの制度のゆえに人格が変貌させられておりある意味犠牲者である。根本的にはこの制度を廃止し、人権に根差した新たな制度を作らなければ解決にはならない」ということだった。いみじくも現在この制度を利用して入国している方の数が急増しているベトナムの神父さんが「自国には仕事がない、日本が受け入れてくれることで助かっている面もある。制度は改善してほしいがなくさないで欲しい。」と発言されたのが印象的だった。

 

又今日は新聞で以下の様な記事を読んだ。「経済連携協定(EPA)で外国人の看護師や介護福祉士を受け入れて8年。資格取得者600人となったが、3割は離脱してしまった。その理由は合格した後も就職した施設では、15分で42人分の申し送りを日本語でしなければならなかったり、制度上配偶者と子どもしか呼び寄せられないためこどもが病気になったときなど支援してくれる人がいないし、日本の子育てや年金の制度は外国人には難しい。などで疲れてしまう。言葉の問題をクリアした先にも多忙や子育ての難しさなど日本人にも共通する問題が解消されない限り日本人同様外国人も疲弊する。日本の働き方を見直す時だ。」 (2016年9月18日朝日新聞)

 少子高齢化が進む日本において、規模はわからないが外国人と共に働き、共生していかなければならないのは明らかだ。しかしながら以上のような人権侵害や働きにくさが存在するのはなぜだろう。ある方は「日本人は人の尊厳を大切にしないといけない」といっておられたが私は違和感があった。日本人は根本的には「人の尊厳を大切にすることのできる」国民だ思う。しかし第二次世界大戦のあまりの悲惨さによって先輩たちは「命の大切さ」を強調し「命をかけること」の危うさを醸し出した。それに代わるかのように豊かさがもてはやされ、昨今の新自由主義経済によって金銭至上主義がまかり通るようになり、「しらけ、バブル、ゆとり、さとり、」世代はつかまりどころがわかりづらく戸惑っている。また日本人のルールや規則への忠実さ、勤勉さという美徳も、外国人と一緒に働いていくときにマイナスに作用してしまうかもしれない。外国人の「おおらかさ、仕事よりも家族を大切にする姿勢」などが日本人を救うかもしれないのに・・・。

 

 イエスの、労働に対する視線も女性に対する姿勢もあたたかいし、ぶれない。今がどんな状況であっても、いつもイエスをみつめて歩んでいれば必ず復活したイエスは一番に会いに来てくださる。

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