礼拝会創立165周年とSr.ジェンマ小野
礼拝会福岡修道院のSr.ジェンマ小野を紹介したい。このパンデミックの中、90歳を迎えた彼女が、益々共同体のために奉仕する姿勢は私たちにとって日々「神に感謝」しかない。プレゼントされたお料理の本で毎回新しいレシピに挑戦し私たちの心と体を満たしてくれる。又「礼拝会の歴史」の本を日々深め、食卓で分かちあう言葉は「未来を活性化させるために、起源をみつめる」という創立165年を迎えた礼拝会のスローガンを具体的に生き、私たちを励まし続けている。
彼女は中学生の時、既に信徒であったお姉さまの勧めで教会に行くようになった。熱心な仏教徒のお父様からの猛反対を押し切って、弟さんと一緒に高校生の時に受洗。その後「思う存分祈って、社会のために貢献できる」という期待を胸に24歳で礼拝会に入会し「未だにその喜びの火は燃え続けている」と自ら言う。広島に派遣されていた時には、滞日外国人の方々のために奔走され、夜は路上で生活している方々を小さな車で訪ねていた。又30代にはアメリカで4年間宣教、50代にはボリビアの日本人居住地で移民の方々とともに歩んだ。そして礼拝会日本管区がカンボジアへ創立した2004年にはその最初のメンバーの一人となった。
現在もカンボジア共同体では、NGOとして女性と子どもたちのためのシェルターを行っている。住む場所も食べるものも着る服もなく、たったひとりで妊娠してさまよっている女性や子どもたちをレスキューのNGOがわたしたちのシェルターへ連れてくる。そこでは衣食住と人としての暖かさを感じてもらえるようにスタッフとシスターが準備し迎えている。そしてシェルターから職業訓練や教育を提供しているNGOへ通う。カリスマがこの様に目に見える形に育つまでには沢山のシスターやスタッフの汗と涙があった。その初めの第一歩、言葉も何もわからない中、飛び込んでいったひとりがシスター小野だ。思うにシスターはスーパーポジティブ。その秘密は礼拝にある。「神様が必ず良くしてくださる」が口癖だ。
今彼女は花の終わった胡蝶蘭とシンビジウムを「もう一度咲かせよう」と研究している。水苔やミックスコンポストで鉢を整え、「夏場はたっぷりとお水をあげるといい」と言っている。時に熱すぎるほどのその情熱と祈りで今も「姉妹」と「共に住んでいる女性たち」に水を注いでいる。「もう一度花を咲かせてね」と。